屋根葺き替え工事(モニエース➡セラマウント)

寄居町で竜巻の被害を受けた屋根の葺き替え工事を行いました。

お客様より「今年の夏ごろに発生した局所的な竜巻の影響で屋根瓦が破損してしまった」とのお問い合わせをいただきました。

お伺いしたところ、屋根の約1/10程度ではありますが、瓦がめくれ上がってしまいその反動で破損してしまったようです。

既にブルーシートで養生をしてありましたが、あまり長い期間放置していい状態ではなさそうですね。ブルーシート等の養生はあくまで一時的な雨しのぎにしかならないので、早急な対応が求められます。

既設瓦をお見受けするに、【モニエース40】という昔から人気のある洋風瓦でした。

しかしながら、惜しまれつつも数年前に廃盤品となってしまったため、現在では入手が困難な製品となってしまいました。わずかな枚数であればメーカーさんや問屋などで在庫として扱っている可能性もありますが、今回の被害で数十枚単位で破損してしまったため、部分的な差し替えや補修が困難な状態でした。

自然災害が起因となるため、今回では火災保険を活用しつつ、大胆にも屋根葺き替え工事でのご提案となります。

既設品と類似品である、【セラマウント】での代替で葺き替え工事を行いたいと思います。

~工事中・後~

葺き替え工事のポイントとして、

①新築と違い、既に住居人が存在するケースがほとんどである

②一刻も早い工事が求められる(工事中の雨漏りによる二次被害)

③近隣への配慮等(埃などの発生による、近隣に対しての間接的損害)

などが挙げられます。

特に解体作業など、人数が必要な初日は用意周到にしておかないと、大変なことになってしまうので経験や技術力が求められます。

全ての瓦や下地材を撤去処分し、すかさず下葺き材(ルーフィング)を貼っていきます。

今回では構造用合板の増し貼りは無いので、比較的スムーズに事を運ぶことが出来ました。ひとまず下葺き材までしてあれば突然の降雨でも雨しのぎが出来ます。職人さんもホッと一安心です。

下葺き材を貼り終えたら、各箇所に必要な下地を行っていきます。

屋根の形状や各業者さんによって細かな仕様などは違いますが、一般的に大まかな仕様としてはほとんどが上記写真のような状態になります。これで瓦葺きの下準備が完了となります。

下地材の瓦桟へ、瓦一枚一枚を引っ掛けるようにして並べていきます。

その際に、釘穴に対し規定のピッチで留めつけを行います。リフォームの場合、新築と違いガイドライン改正法には該当しない部分もあるので、基本的には【従来通りの仕様】という認識となります。

平瓦を葺き終え、各箇所に対して【役物瓦(やくものかわら)】を取り付けていきます。

無事に工事完了しました。

ここまでくると、皆様が普段から見慣れている屋根の姿へと変わっていきます。

このように各工程ごとでご説明させて頂くと、細かな作業も多いため、それなりの日数も掛かってしまいますし、職人さんの労力もかなりのものになります。

私見ですが、昨今ではじっくり下積みを経験し、洗礼・熟成された職人さんの育成が難しい時代になって来ているように思えます。

働き方に対する多様化が主流になりつつある反面、昭和・平成・令和と股に掛けてきた親方世代の引退・若者の現場作業に対する意識低下…など様々ですが、これらの技術は三日三晩で身に付くものではないので、徐々に先代たちから引き継いだ技術が失われていっているように感じます。

これから先、少しでも建築業に興味を持ってくれる人が増え、さらには技術者人口が増えていくことを願いたいと思います。

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