こちらでは古くなってしまった屋根棟部分の積み直し工事を行います。
~工事前~
こちらの邸宅は築28年で、お施主様より「近年、ニュースなどで地震などの災害で瓦が崩れている映像を頻繁に見かけて不安だから自宅の屋根を見て欲しい。」とのご依頼をいただきました。
伺ったところ、和型葺きの棟仕様は熨斗瓦(のしかわら)積みで、そこまで悪い状態ではなかったのですが工法に不備がありこの状態では一抹の不安が残るということで、お施主様とご相談し、【ガイドライン工法】での棟積み直し工事を行うことになりました。
【ガイドライン工法とは?】
※【ガイドライン工法】とは、地震や台風に強い瓦屋根を実現するために設けられた新しい瓦屋根の施工方法のことを指します。
阪神淡路大震災を経た2000年建築基準法改正を受け、2001年に設定されました。
【瓦屋根標準設計・施工ガイドライン】が発行され、耐震性と耐風性に優れた瓦屋根の施工方法の基準が確認できます。
なお、【瓦屋根標準設計・施工ガイドライン】は【一般社団法人全日本瓦工事事業連盟】のホームページからも確認できます。
~工事中~
一度、既存の瓦を移動し棟に使用してある葺き土や汚泥などを綺麗に撤去していきます。
従来の工法とは違い、あらかじめ耐震用金具を屋根躯体へ取付け、30mm×40mmの桟木(野縁)を棟用耐震金具へビス等で固定していきます。積み上げる熨斗瓦はそれぞれ全緊結し、崩れないようにしておきます。
上記方法で所定の段数を積み上げたら、最後に丸瓦を被せ防水パッキン付きビスであらかじめ棟内部に固定しておいた桟木へ打ち付けます。こうすることによって固定の要である銅線を従来の銅線巻きでの外部露出を無くし、酸性雨などの直接的影響を防ぎます。
~工事後~
無事に工事完了しました。
写真でも分かるように、外部に銅線がいっさい露出していません。従来工法の泣き所でもある銅線切れを無くした画期的な工法です。強度もはるかに増しますので、地震などの災害による瓦の脱落やズレなどの心配をありません。
お施主様にも工事写真をご覧いただき、大変満足されている様子でした。
従来工法での工事ももちろん可能ですが、せっかく工事をするのであれば今回のような【ガイドライン工法】を推奨致します。
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