屋根・外壁と続き、今回では【付帯部】についてお知らせしていきたいと思います。

付帯部とは、【主となるもの（住宅の場合、一般的には外壁や屋根などを指します）に対し、必然的に伴うもの】になります。

メインとなるものに対し、補助的なものであったり、またそれらを機能させるために必要なものといった意味合いになります。

今回では、そういった付帯部についてフォーカスしていきたいと思います。

ケース①　こういった場所は見落としやすい

付帯部といっても、使用する物や場所によっては雨漏りを誘発してしまうこともあります。

実際に合った事例も踏まえてお伝えしていきます。

よく見かけたりする雨樋の脱落部の様子です。

「外れているのは気が付いているが、大したことないから気にしていない」という方は多いのではないでしょうか？

いいえ、そんなことはありません。

こちらの住宅では、実際に雨樋の脱落が原因で室内に漏水してしまっていました。

通常の雨は全体的にまんべんなく降り注ぐイメージですが、こちらの雨樋の場合は厄介なことに屋根から受け止めた雨水が上記写真（竪樋）に集まることで、集中的に雨水量が増大します。

分かりやすいイメージだと、この該当箇所にホースで水を当てているような状態ですね。

これでも、下葺き材などがしっかりしていれば防ぐ事も出来るかもしれませんが、屋根の性質上、これだけの雨量が一点に集中してしまうとほぼ確実に雨漏りしてしまうでしょう。

こういった雨樋の歪みなどもさきと似たようなケースで、歪んだ場所から雨水を飲みきれずにオーバーフローしてしまう状態です。

支障のないものもありますが、まれに厄介なケースもあります。

オーバーフローした雨水は、当然地面などに落ちてきます。

ただ単に落ちてくるだけならいいのですが、落ちてきた場所が先ほどの屋根上や外壁付近などに落ちてくると、漏水や汚れが付着しやがて苔などの繁殖・外壁材の劣化などを引き起こしてしまいます。

雨樋はこういった事例を踏まえて構成されているので、製品の重要性に気付いて頂ければと思います。

屋根の棟部分になります。

瓦屋根には欠かせない漆喰材ですが、これも年数が経つと劣化してしまい、場合によっては雨漏りを招いてしまいます。

上記写真の茶色い部分は、棟などの形成を保つために用いられている葺き土と呼ばれるものになります。

当時は、葺き土を用いた施工が主流であったため、葺き土の表面に防水性のある漆喰材で保護する工法でした。

しかし、この葺き土は耐水性・耐震性が弱い為、現在ではあまり使用されることはありません。（状況による）

近年では、葺き土と漆喰材が一体型の【なんばん漆喰】と呼ばれるものが主流となり、現在の新築でも広く使われています。

一体型になったことにより、耐震性の向上やシリコン配合による防水性の向上など、メリットが沢山あります。

漆喰の泣き所でもある、【剥がれ】が無くなり、基本的には漆喰工事のお手入れが不要となります。（ただし、なんばん漆喰も一生持つものではないので、状態によっては何かしらのメンテナンスは必要になります）

ケース②　雨漏り以外の危険性

こちらは破風板や軒天井の劣化状況になります。

基本的には、直接雨漏りなどの原因にはなりにくい箇所なのですが、放っておいて気持ちのいいものではありませんよね。

破風板などの木部に関しては、湿気や水分に弱く、外部に使用する際にはそれなりの頻度でメンテナンスが必要になります。

紫外線や風雨の影響を諸に受けやすく、また劣化の進行も早いです。

腐食が進行してしまうと、塗装などのメンテナンスが出来なくなり、最悪の場合、破風板ごと交換になってしまったりと何かと面倒なことになってしまいます。定期的な塗装や、鋼板材を用いた【破風板金巻き】なども併せて知っておくと良いでしょう。

軒天井も、当時はベニヤ板を使用する事が多く、さきの破風板同様に湿気や水分に弱く、剥がれたり腐食してしまうことが多いです。軒天井内部の湿気で自然とベニヤがべろんと剥がれてしまう事が多いです。

やがて、軒天井ごと剥がれ落ちてしまい、ぽっかりと穴が空いたような状態になってしまいます。

そういった箇所から、スズメやスズメを狙ったヘビ・薄暗い場所を好むハクビシンなどの害獣が天井裏などに侵入してしまうケースも実際にあります。

いずれにせよ、放っておいてもメリットはほとんどありませんので、早めにメンテナンスすることをお勧めします。

いかがだったでしょうか？

屋根・外壁・付帯部と三編に渡り、梅雨・台風シーズンに備えての注意事項をお伝えさせていただきました。

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